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休職 Day3|脱線した世界と、罪悪感と、それでも少し軽くなった日
休職一日目。
本当に、行かなかった。
たった二行のLINEを送っただけなのに、
誰からも連絡は来なかった。
それなのに、妙な感覚があった。
世界から脱線したような気分。
自分の仕事は誰がやるんだろう。
あの商品、あのままだけど大丈夫かな。
気になることが、次々と浮かんでくる。
—
その気持ちを振り払うように、
太陽の下で竹製の模擬刀を振り回していた。
家の前はリバーサイド。
誰も見ていない。
…たぶん。
冷静に考えると、ただの危ないやつだ。
—
ふと鏡を見て、驚いた。
最近の自分の顔はひどかった。
いつからこんな情けない顔になっていたんだろうと、
本気で思っていた。
でも、その日。
顔が、整っていた。
休職一日目。
たったそれだけで、
こんなに変わるのかと思った。
ただの休みじゃない。
「しばらく行かなくていい」という、本当の休み。
それが、顔に出ていた。
—
気づけば、吐き気もなかった。
ロナセンテープが効いている。
少しだけ、身体が軽かった。
—
昼頃、出かけた。
今日は金曜日。
弟の子どもたちが、ちょうど祖父母の家に泊まりに来ていた。
そのまま一緒に、海岸で焚き火をすることになった。
最初はボーリングの話も出ていたけど、
働いている人たちを見ると気が散る気がして、やめた。
移動中も、働いている人が目に入る。
やっぱり、脱線している感覚がある。
罪悪感は、かなり強い。
—
海岸に着いて、焚き火が始まる。
少し楽しくなってきた。
でも、最初はずっと、罪悪感との戦いだった。
みんな、どうしてるんだろう。
スタッフのことを考える。
仕事のLINEも飛んでくる。
「在庫の商品が必要なら~」とか、いつも通りのやり取り。
それを見るたびに、少し苦しくなる。
まだ一日も経っていないのに、
もう分かる。
自分にとって、仕事は大切だった。
—
子どもたちと過ごしていた。
まるで、学童の支援員をしていたときみたいに。
常に何か面白いことを提供している自分がいた。
ああ、自分はこういうの、できるんだなと思った。
子どもたちの存在は大きい。
罪悪感が、少しずつ飛んでいく。
—
夕方まで一緒に過ごした。
親に言われた。
「子どもの相手、プロ級だな」
…まあ、元プロですからね。
正直、ハツラツとしていた。
やっぱり、自分にはこういう仕事が向いているのかもしれない。
—
気づけば、罪悪感はかなり薄れていた。
でも。
夜が怖い。
それだけは、変わらなかった。
—
休職中、人と会うのは効果がある。
それは、はっきり分かった。
でも同時に、
夜は、やっぱり来る。
――続く


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