筋肉休暇が始まった。
花屋に退職を伝えてから、もう2週間ほど経つ。
でも、まだ私は社員だ。
7月16日までは有給消化期間。
だから会社には行かないけれど、籍だけは残っている。
なんとも中途半端な立場だ。
—
退職したらすぐ次の仕事を探せると思っていた。
でも、そう簡単ではなかった。
失業手当を受けるには離職票や失業の手続きが必要になる。
それらがそろうのは7月16日以降。
だから今は、本格的な応募はできない。
求人を見ることはできても、エントリーはまだ先だ。
—
じゃあ、この1か月をどう過ごすか。
私は勝手に名前を付けた。
「筋肉休暇」。
ジムへ行き、体を鍛える。
落ちた体力を戻す。
心も少しずつ整える。
そんな1か月だ。
—
仕事を探している途中で、少し面白いことがあった。
気付いたら「保育士人材バンク」というサイトに登録されていた。
自分で登録したつもりはなかったのだが、求人を見ている流れで登録されていたらしい。
調べてみると、担当者が仕事探しを手伝ってくれるサービスとのことだった。
ネットでは、
「就職を急かされる」
「圧が強い」
なんて口コミも見かけた。
少し身構えてしまう。
でも、考え方を変えてみることにした。
味方にできるものは、味方にしてみよう。
もし自分に合う職場を紹介してくれるなら、それも一つの縁だ。
—
今のところ紹介される求人は、年間休日が少ないものばかりだった。
正直、
「ここでは働きたくないな」
と思うものが多い。
焦って決める気はない。
一度壊れたのだから、次はちゃんと選びたい。
—
今日もジムへ行った。
でも、今日はあまりやる気が出なかった。
結局、腕だけ鍛えて帰ってきた。
昔なら、
「こんなんじゃダメだ」
と思っていたかもしれない。
でも今は違う。
ジムへ来た。
少しでも体を動かした。
それだけで十分だ。
筋肉休暇は、筋肉を鍛えるためだけの時間じゃない。
壊れた心を、少しずつ元に戻すための時間でもあるのだから。筋肉休暇が始まってから、なるべく実家へ通うようにしている。
理由は単純だ。
一人でご飯を食べると、なんとも言えない孤独感に襲われるから。
休職して分かったことの一つが、人は一人でいる時間が長すぎると、ろくなことを考えないということだった。
だから昼ご飯だけは、できるだけ実家で食べる。
幸い、実家は近い。
自転車でも行ける距離だ。
両親はすでに仕事をリタイアしているので、お昼はいつも一緒だ。
他愛もない話をしながらご飯を食べる。
それだけで、午後の気持ちが少し違う。
—
昼食を食べ終えると、パートナーが仕事から帰ってくるまでは自由時間になる。
「せっかく休みなんだから、ゆっくりしていいよ。」
パートナーはそう言ってくれる。
ありがたい。
でも、いざ自由時間になると困る。
何をしても、どこか物足りない。
趣味を始めても長続きしない。
ゲームもする。
何もしないよりはマシだからだ。
最近はAmazon Primeで『HUNTER×HUNTER』を最初から見直している。
やっぱり面白い。
子どもの頃とは違う視点で見られるし、何度見ても名作だと思う。
—
そうこうしているうちに、パートナーが帰ってくる時間になる。
最近は、その時間に合わせて夕飯を作るようにしている。
……とは言え、私の料理の腕は壊滅的だ。
一応レシピを見ながら作ってはいる。
でも、出来上がったものはどうにも食欲をそそらないらしい。
大抵、残される。
まあ、そりゃそうだ。
私が食べても「うん、これは微妙だな」と思う日もある。
それでも作る。
少しでも役に立ちたいからだ。
でも、パートナーがあまり食べてくれないと、
「また失敗したな」
と落ち込む。
そして、機嫌が悪そうに見えると、それだけで少し怖くなる。
だから今日こそは。
ちゃんと「おいしい」と思ってもらえる料理を作ってみたい。
料理も仕事と同じで、少しずつ上達していけばいい。
……たぶん。ちなみに、やりたい仕事はまだ見つかっていない。
求人サイトを眺めてはいる。
保育士資格が生かせそうな仕事も探している。
就労支援という仕事にも少し興味がある。
でも、まだ「ここで働きたい」と思える場所には出会えていない。
焦って決めるつもりはない。
今回の休職で学んだことが一つある。
「続けられる仕事」を探すより、
「壊れずに続けられる仕事」を探したい。
だから今は、
筋肉を鍛えながら、
少しずつ次の居場所を探している。
孤独の休日。くそ長い有給消化を悶々と過ごすうつ病私の日記。
日記

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